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ろ布に使われている素材の特徴

ろ布に使われている材質

ポリエステル

一般の合成繊維の中では、高い耐熱性を持っています。酸や伸びに対して大きな抵抗性を持ち、幅広い業界で利用されています。蒸熱により加水分解を起こす可能性があるほか、アルカリには弱いという特徴があります。

ポリエステルの特徴

さまざまなファブリック製品の中で、使用頻度が高いの素材の一つがポリエステルです。素材として使い勝手が良いため、多くの布製品に使用されています。速乾性にも優れており、変形しにくいため長く愛用できるのも特徴です。

ポリプロピレン

耐薬品性が強く、酸やアルカリなど、いずれにも耐性がある点が特徴です。耐熱性にはやや劣るものの、業界を問わず広く利用することが可能です。蒸熱による影響は受けないため、その点も大きな特徴と言えるでしょう。

ポリプロピレンの特徴

ポリプロピレンは石油・石炭・天然ガスなどが原料として使用されており、合成繊維の中では最も軽く、水にも浮く繊維です。速乾性・保湿性・耐久性に優れている一方で、吸湿性、吸水性がなく、染色性が低いのが特徴です。

ナイロン

抗張力や耐アルカリ性、耐摩耗性に優れている点が特徴です。繊維に柔軟性があるため、水分を含むと伸びる性質があります。一方で使用条件により収縮や伸びが大きいほか、酸には弱いため注意が必要です。

ナイロンの特徴

ナイロンの原料は、ポリアミドです。合成樹脂から作られており、スポーツウェアやストッキングなど、幅広く使用されています。ポリエステルの次に使用頻度が高いのが特徴です。強度に優れているため、繰り返ししても変形に強いという特性があります。

芳香族ポリアミド

耐熱性が高いため、高熱下でよく利用されます。化学工業関連での利用が多いこともあり、250℃以下の収縮率は1%を下回るという特徴があります。酸の影響を受けにくい点もあり、化学薬品との相性が良いと言えるでしょう。

芳香族ポリアミドの特徴

アラミドとも呼ばれている、芳香族ポリアミドは、強靭なプラスチックです。耐久性に優れており軽量であることから、さまざまな部品などに使用されています。脂肪族ポリアミドよりも強靭であり、耐溶剤性、難燃性にも優れていますが、製造が困難なため高価です。

塩化ビニリデン

耐薬品性に非常に優れており、酸、アルカリ、いずれへの耐性もあるのが特徴です。また、ケーキ剥離性が高いのも大きなメリットでしょう。その一方で、物理強度が低いことから抗張力、耐摩耗性、寸法安定性、耐熱性に弱い点は注意すべきでしょう。

塩化ビニリデンの特徴

塩化ビニリデンは合成樹脂で、酸素と水分の両方を通しにくい特性があります。ガスや水分の透過度が極めて低く、ガス遮断層を構成する素材として広く使用されています。塩化ビニリデンは透明度も高く、自己粘着性にも優れています。

ビニロン

耐薬品性は比較的高く、大抵のものには良く耐え、変化することはありません。しかし、強酸には侵されてしまいます。特性上、寸法安定性に欠けがち。特に、使用温度が上昇すると収縮する点に注意が必要でしょう。

ビニロンの特徴

ビニロンは耐候性・耐薬品性に優れた特徴から、工業・産業の分野で広く使用されています。炭素、水素、酸素で構成されているため、燃焼時にも有害物質が発生いしません。アスベストの代替品として、補強などにも使用されています。

綿

水分を含むことで膨潤性が高まり、緻密なろ過が可能となります。綿素材のろ布は安価な点がメリットですが、合成繊維を使用したろ布と比較すると強度の面では劣る点を知っておきましょう。

綿の特徴

綿は折り方やつむぎ方によって、異なる特徴を生み出せる素材です。長さや糸の太さ、折り方によって、特徴が変わります。ポリエステルなどの化学繊維と比較すると、吸水性・通気性に優れているのが大きな特徴です。

PTFE(テフロン)

耐熱性、耐薬品性に優れているPTFE(テフロン)は、ダスト剥離も良好です。PTFE(テフロン)難燃性にも優れており、強酸・弱酸・強アルカリ・弱アルカリ・溶剤・加水分解性・耐酸化剤など、あらゆる面で優れています。

PTFE(テフロン)の特徴

PTFE(テフロン)は、フッ素原子と炭素原子のみからなるフッ素樹脂です。安定した素材の一つで、剥離材、絶縁材、断熱材など、さまざまな用途で用いられています。ほとんどの薬品に侵されない耐薬品性が特徴です。

その他

記載の材質が一般的によく利用されますが、ビニロンやアクリル、ガラス繊維やPPSなども材質としての選択が可能です。利用用途や利用機器に合わせて、適切な材質を選択できるようにしましょう。

ろ布の保管

ろ布を保管する際は、耐久性を維持するためにも以下の4点に注意が必要です。なお、木綿や羊毛、麻といった天然素材ではなく、合成繊維で作られたろ布については、虫食いや腐食の心配はありません。

特に、ポリプロピレンは紫外線で顕著に劣化するため注意しましょう。

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ろ布の糸の種類

ろ布に使用される糸には、短繊維(スパン糸・紡績糸)、長繊維(マルチフィラメント糸)、単繊維(モノフィラメント糸)、分割型極細繊維糸があります。短繊維は、微粒子を捕集しやすい反面、目詰まりを起こしたり、ケーキの剝離に乏しかったりします。長繊維は、微粒子の捕集はしづらいものの、目詰まりのリスクが少なく、ケーキの剝離が良好。単繊維は、ケーキ剝離が非常に良く、目詰まりしづらい一方で微粒子の捕集には向いていません。分割型極細繊維糸は、極微粒子の捕集に優れていますが、ケーキ剝離や目詰まりは難点がある糸です。

ろ布の織り方

ろ布の織り方は、平織、綾織、朱子織の3つがあります。最も一般的なのは、綾織で、柔軟性に富んでおり、地厚で高密度なのが特徴です。集塵機のフィルターに向いているのは朱子織で、ケーキの剝離も良い高密度の織物。高圧用のろ布に適しているのは平織タイプのもので、布目が詰まっているのが特徴です。

ろ布の密度

ろ布に選びのポイントとして、密度も大切です。密度は、タテ糸とヨコ糸の1インチ間の本数で表されます。1インチは2.54㎝。使用する糸の太さや、撚糸回数、織り方によって、仕上がるろ布の空隙率や通気量の調整を行います。

ろ布の形状による違い

ろ布の代表的な形状は「円筒型」「円筒プリーツ型」「封筒型」の3種です。一般的なものが円筒形で、任意の寸法での製作が簡単、パルスジェットによる変形量が大きく剥離性に優れています。円筒プリーツ型と封筒型は円筒よりろ過面積が大きく、装置全体をコンパクトにできますが、双方とも、剥離性の面で円筒型より劣ります。

ろ布の生地による違い

代表的な生地は「織布」「不織布」「ラミネート」です。織布には平織、綾織があり、優れた強度がメリットです。不織布は繊維を糸にしておらず、絡み合わせて生成。通気性やろ過機能が優れているのが利点です。ラミネートは、織布や不織布のろ過面に多孔質のコーティングを行っています。良好な剥離性を持っており、一時層がなくてもろ過性能を保てるのが特徴です。微小粒子の捕集に適しています。

ろ布の通気性

通気性は空気の通る量を指します。ろ布に開いている孔は形状も大きさも複雑ですから、数値として表すのは困難です。ただ、空気がどの程度通るのか、その量を調べることによって通気性が測定でき、孔の状態をイメージすることができます。たとえば等しい圧力をかけた場合に、空気の通る量が小さいと、孔は小さいと判断できます。逆に通る量が多ければ孔が大きいとわかるでしょう。測定方法は、JIS L 1096の規定に準じます。

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縦型ろ布の注意事項

縦型ろ布の取り扱いにはいくつか注意点があります。不適切な使い方をすると、十分に機能を発揮できなくなるからです。目的を果たせず、ただコストだけが積み重なっていくのはどんなに質のいいろ布を使っても意味がありません。不適切なろ布の使い方をいくつかご紹介します。

上記に注意しないとろ布の寿命が短くなる、機器の動作に悪影響を与えるなどの問題が出てきます。

ろ布とメルトブロー布の違い

ろ布とメルトブローで特徴や利点が違います。ろ布は天然繊維と合成繊維で作られているのが特徴です。ポリエステル濾布、ポリプロピレン濾布、ナイロン濾布などがあります。素材で適した用途も異なるのは注意点です。ろ布の用途は主に空気ろ過や液個分離に活用されています。ろ布でも、ポリエステルろ布、ポリプロピレンろ布、ナイロン濾布などは、科学や医薬品、非鉄金属やスラッジ脱水、環境保全や触媒、リン酸塩肥料などさまざまな分野で使われているのが特徴です。メルトブローはろ過、遮蔽、保温性に利点があるため、医療、健康用クロスで採用されています。たとえば、マスクは主にメルトブローです。その他、衣類やベッドシートやキルトなどでも使われています。ろ布とメルトブローは特徴も利点や応用分野も異なるため、用途に適したものを選ぶのがポイントです。

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