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通気度・通気性とは、ろ液がどのくらい通り抜けやすいかを表します。ろ布を選ぶ際に通気度・通気性も選ぶポイントの1つとなりますので、留意しておきましょう。
通気度とは、1秒間に1cm2の面積を通り抜ける空気の体積を表し、ろ布の目の粗さや細かさが分かります。
ろ布の目が粗いものを使用します。通気度が高いろ布と表現します。
ろ布の目が細かいものを使用します。通気度が低いろ布と表現します。
通気性の測定方法は、JIS L 1096によって規定されています。しかし、ろ布の目については形状が複雑なため、通気性の数値が出ていても、結果として必ず反映されるとは一概にはいえません。空気の通る量を測定することで、数値を確認し、実際の粒子がどのくらいのろ過速度で流れていくのか推定しています。したがって、通気性の数値だけではなく、お客様が使っているろ過の設備や使用条件を加味したうえで選択できるろ布選びをした方がよいでしょう。
結論から申し上げますと、粒子の大きさが分かるからといって、ろ布の目の開きを選べるわけではありません。理由は、粒子同士でくっついてしまう「ケークろ過」が必ず起こるため、最初の目の開きを合わせていても、目詰まりをおこすからです。ろ布のろ過の流れとしては、スムーズな流れの状態から粒子が少しずつ付着し、ケークろ過状態になり、払落しを行い、最初の状態に戻るを繰り返していきます。したがって、粒子の大きさが分かれば最適なろ布が選べるのではなく、専門家の提案によるろ布選びが良いでしょう。専門業者は、使用条件にや機械によってろ布を手探りで選ぶ作業をおこなって提案していきます。
ろ布の目の開きは、通気度ではないことを覚えておきましょう。通気度は、同じ目の開きであっても、対象粒子によって異なりますし、対象粒子が同じであっても使用する機械によっても違います。また、同じ機械を使っていても、気象条件や温度によっても変わってしまうので、日によってろ過の速度が遅くなることもありえるのです。
そしてろ過する際には、乾いた粒子でも粘着質な粒子でも必ず粒子同士がくっついてしまう現象が起こります。したがって、ろ布の目開きで選んだからといって、ろ過の経過状態によっては、目詰まりになってしまう部分もあることを覚えておきましょう。