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ろ過効率を高めようと考えた際に利用できるのが、プレコートバグフィルターです。ここではプレコートバグフィルターとは何か、どういった特徴があるのかなどについて解説します。
プレコートとは「プリコート」とも呼ばれるもので、ろ過を行う前に、ろ材の表面部分にろ過層を作ることをいいます。ここで使用されるのは、灰や消石灰などの粉末剤です。
これにより、ろ過を助ける効果が期待できる方法です。特に、ろ材のみではろ過が難しいような非常に細かい粒径のものを分離する際などに選択されています。
新品のろ布を使用する際は、灰や消石灰を使用してプレコートを行い、ろ過効率を高めましょう。
新しくしたろ布に粉末剤を散布してしまうと、かえってろ過効率が悪くなってしまうのではないかと心配に感じる方もいるはずです。
ですが、新品のろ布は集塵率がそれほど高くありません。そのため、使い始めてすぐの段階でも集塵率を高める目的でプレコートが行われることになります。
バグフィルターとは、さまざまな産業設備で活用されている、ろ過式集じん装置のことです。プレコートバグフィルターには、以下のような特徴があります。
バグフィルターは、ろ布を交換するだけでさまざまなダストに対応できるのが特徴ではありますが、種類によっては目詰まりしてしまうことがあります。ですが、プレコートによってあらかじめろ布表面にコーティングをしておけば、目詰まりのリスクを抑えることが可能です。
これは、ろ布に直接ダストが付着するのではなく、ろ布の上に塗布されたプレコート層にダストが付着するためです。ろ布の目詰まりに悩んでいるような場合もプレコートバグフィルターの導入について検討してみると良いでしょう。
吹き抜けを防止するのにも効果的な方法です。また、プレコート層の働きによってろ布が保護される形になるため、痛みにくくなるのもメリットといえます。
プレコートバグフィルターのろ過層には、薬品が含まれています。排ガスと薬品が接触反応を起こすことにより、効果的に有害物質の除去が可能です。
脱じん時には堆積層とプレコート層の両方を取り除き、その後に薬剤を吹き付ける形で再度プレコート層を作ります。脱じんを行うタイミングとしては、バグフィルター圧力損失が大きくなった時や、酸性ガス濃度が上昇した時などです。
プレコート層の働きによって脱じん直後から効率的な稼働につながります。
プレコートバグフィルターを使用することによって、フライアッシュによるろ布の破損や焼損といったものを防ぐ効果が期待できます。
フライアッシュとは、ボイラーで固形燃料を燃やす際に発生する細かい灰のことです。煙突から大気中に拡散されるのを防ぐためには、ろ布を使ってろ過しなければなりません。
ですが、ろ布に直接フライアッシュが衝突してしまうと、ろ布の破損・焼損が起こってしまう可能性があります。この際、プレコートしておくことにより、直接的にフライアッシュがろ布に衝突するのを防ぐことが可能です。
このようにプレコート層の働きによってろ布が保護される形になるため、痛みにくくなるのもプレコートバグフィルターのメリットといえます。
また、フライアッシュは逆洗と呼ばれる方法で剥離されることになりますが、プレコートしておくと逆洗時に剥離しやすくなるのも特徴です。