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ろ布の耐熱温度とは?

ろ布の耐熱温度を決める要因

連続使用温度とピーク温度の違い

ろ布の耐熱性能には、「連続耐熱温度(=長時間安定して使える温度)」と「ピーク温度(ごく短時間のみ許容できる限界温度)」があります。この2点は、それぞれの繊維が持っている熱安定性や融点などによって変わってきます。

もしピーク温度が高かったとしても、長時間にその温度で運転した場合には劣化や特性の低下などが発生する可能性が考えられるため、基本設計は連続耐熱温度以下で行うという点に注意が必要です。

温度以外の劣化因子(酸・アルカリ・酸化性・湿度・UV)

温度意外にも、ろ布を選定する場合にはさまざまな劣化因子に注意する必要があります。

例えば、腐食性のガスに晒された場合、素材によっては分解や強度の低下が発生しますし、酸化剤が存在する場合には、PPSなどの特定樹脂において劣化を起こす可能性が考えられます。また、太陽光やUV源がある場合には、紫外線による劣化や強度の変化が発生する可能性があります。

装置別(湿式/乾式、フィルタープレス/バグフィルター)での前提

湿式(フィルタープレスなど)の場合には、液体のろ過を行うことになります。温度の上限は液体の沸点に依存するケースが多く、耐熱性よりも耐薬品性が優先されます。

また、乾式(バグフィルターなど)の場合、焼却炉やボイラー排ガスといったように、非常に高温なガスを扱うケースが多くなります。この場合結露を防ぐために温度を高く保つ必要がありますので、耐熱・耐加水分解設計が求められることになります。

材質別の耐熱温度目安と特性

ポリプロピレン(PP):70〜90℃

酸やアルカリに対して優れた耐性を持っており、90℃以下の材質に適している材質です。化学業界におけるポリマーの製造工程などにおいて使用されています。

ポリエステル(PET):120〜135℃

汎用性が高く、セメントや金属精錬、化学業界などにおいて広く使用されている材質です。塩酸や硫酸など多くの酸への耐性を持っていますが、高温・高湿度かでの加水分解とアルカリガスに注意が必要となります。

アクリル:120〜130℃前後

アクリルは比較的耐酸性が高い材質です。高温でも安定しており、加水分解しにくいという特徴を持ちます。

メタ系アラミド:200〜210℃前後(高湿酸性は要注意)

耐熱性が高いことから、高温ガスの集塵に広く採用されています。ただし、水分が存在している環境では酸性ガスに侵されやすい点には注意が必要となります。

PPS:〜190℃(酸化剤注意)

耐薬品性に優れており、ポリエステル繊維に近い寸法安定性を持つ点が特徴の材質です。ただし、強い酸化剤や硫酸、クロム酸などに対しては注意が必要となります。

PTFE:〜260℃(高耐薬品・剥離性良好)

耐熱性と耐薬品性に優れる傾向があります。さらに、繊維表面の摩耗計数も小さく、ケーキ剥離性も良い点も特徴。高価ではあるものの、厳しい環境下でも使用できるケースがあります。

ガラス繊維:〜260℃(寸法安定・用途限定)

耐熱性に優れており、古くから高温環境下での集じんろ材として使用されてきた材質です。寸法安定性が高く熱変形しにくい点も特徴。ただし、ガラス繊維であるために用途が限定されるケースがあります。

ポリイミド:〜240℃(高温域の代替)

高温ガス集じんに向いている材質であり、耐熱性や耐酸性に優れるといった特徴も持ちます。ただし、30%超の高湿度およびアルカリに対して劣化しやすい点には注意が必要です。

温度×雰囲気で見る推奨材質の考え方

高温・酸性ガス(焼却炉等):PTFE/ガラス/ポリイミド

耐熱性と耐酸性が求められる非常に過酷な環境であり、PTFEやガラス繊維、ポリイミドのものが推奨されます。中でもPTFEは多くの薬品に対して耐性が高いとされます。また、ガラス繊維は高温安定性、ポリイミドは熱・酸に強いという特徴があります。

高温・高湿:PPS/PTFE中心、アラミドは条件要検討

高音・高湿の環境では、水分による加水分解に注意する必要があります。推奨される材質はPPSやPTFEが中心となり、アラミドは条件次第で使用できますが、高温・酸性の場合には慎重に評価することが必要となります。

中温・弱酸〜中性:PET/アクリル/PPSの使い分け

中温で弱酸〜中性といった、一般的な排ガスラインで使用する場合には、PETやアクリル、PPSが推奨されます。もし乾燥している状況であれば、安価なPETを、水分が多い場合にはアクリルの使用がおすすめです。また、少し温度が高めの場合や薬品が混入している懸念があるケースにおいては、PPSの使用が推奨されます。

低温・アルカリ:PP優位

常温から90℃程度の領域の場合には、PPが選択肢として挙げられます。これは、ポリエステルやアクリルの場合、アルカリ環境では劣化するため。この点から、PPが優位であるといえます。

選定・発注時に揃えるべき仕様

温度プロファイルと雰囲気(成分・pH・湿度)

日常運転時のガスまたは液体温度(連続耐熱温度とピーク温度)に加え、酸やアルカリ、酸化剤といった含まれる化学成分やpH、湿度、腐食性ガスの有無についても確認します。

粒径分布・固形分濃度・ケーキ要件

ろ過対象の粒子サイズ(平均と最大粒径)、固形分濃度(濃度の上下限)、ケーキ剥離性(ろ過後のケーキの付着性など)について確認します。

装置仕様(型式・サイズ・取り付け形式)と洗浄方法

装置形式と洗浄方法についても確認を行います。装置使用についてはフィルター形式やサイズ、取り付け形式、また洗浄方法やメンテナンス頻度、交換サイクルの想定に関しても確認しておきます。

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