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フィルタープレス用のろ布は、ろ板の大型化や高い脱水性を求めるニーズが高まったことから、高強力はもちろんのこと、高い弾性回復性と屈曲体制がある点が特徴です。フィルタープレスの負担に耐えるべく、強力化が進んでいます。
なぜ、ろ布選びに力を入れる必要があるかというと、商品製造の際には「環境配慮がなされているか」が重要視される時代となっているからです。再資源化や廃棄物の削減などを行う際、性能の良いろ布でなければ、再ろ過やろ布の交換回数が増え、手間もコストも大幅にかかってしまいます。したがって、性能のよいろ布選びは製品の生産性アップが期待されますし、環境配慮がされているキャッチコピーとして売り出すことができますので慎重に選びましょう。
フィルタープレス用ろ布は、処理するスラリーやケーキの処理によって、適したろ布はそれぞれ異なります。また、規格や仕様が合わないとトラブルの原因になりますので、専門業者に相談するのがおすすめです。綿密なヒアリングのうえ、それぞれの規格や性能に合ったろ布を製造してくれます。
ろ布の材質は、「ポリプロピレン」「ナイロン「ポリエステル」などからできています。布状のフィルターで、取り扱いが簡単なのが特徴です。フィルターには様々な孔径の種類があるので、固形分量や粒子の大きさに合わせて選ぶことができます。現在のフィルタープレスは、ベルトコンベアー状が主流で、自動運転により製品を押し流します。
フィルタープレス用のろ布を使用する際、フィルターの縁から液が漏れだすトラブルが起こることがあります。トラブルの原因はいくつかありますので、詳しく見ていきましょう。
ろ布のサイズが合っていないと枠の間の隙間から漏れ出す可能性があります。解決方法は、枠の間の隙間を樹脂製のシールで塞ぐことで解決するでしょう。
ろ過しないうちにどんどんプレスしてしまうと、ろ布の処理が追い付かず、漏れ出すことがあります。解決策は圧力を抑え速度を落とすことですが、スピードを挙げたい場合は、フィルターの孔径を見直す必要があるでしょう。
フィルター部分が目詰まりしていると処理能力が落ちているため、漏れが生じてしまう恐れがあります。解決策は、ろ布の洗浄をまずは行うことでしょう。洗浄を行っても改善が見られない場合は、ろ布の交換や孔径の見直しを改善する場合があります。
上記の3つの解説策を行っても、改善しない場合、スラリーの固形分が多すぎる可能性があります。解決策としては、孔径を見直すか、上流工程で固形分を減らす作業を1つ加える必要があります。
フィルタープレスのろ布を考えている場合、オススメなのはオーダーメイドで製造することです。近年、ろ板が主流となり、これまで以上にろ布に掛かる負担が増えたことや、大型化が進んだことで、仕様の最適化としてろ布のオーダーメイドが注目されているのです。
フィルタープレスは、液体と固体が混ざった「スラリー液」をろ過して、固液分離するための装置です。化学薬品の生産プロセスで利用されたり、排水処理で利用されたりと、様々なシーンで活躍します。シンプルな構造のため、大量の処理水をまとめて処理できます。ろ過脱水装置の中では、たくさん利用されている装置だといえるでしょう。
ろ過には3種類の方法があり、重圧ろ過・真空ろ過・加圧ろ過に分類されます。重圧ろ過は個体と液体の比重の差を利用、真空ろ過は真空差圧を利用します。一方で、加圧ろ過は圧力をかけて圧搾するのが特徴的。フィルタープレスでは、加圧ろ過を用いて固液分離を行います。
フィルタープレスは、ろ過ポンプで加圧して、ろ布で液体を取り除いていきます。ケーキ層が厚くなり、ろ室内が満杯となればろ過は終了です。ケーキは高圧空気を入れて脱水したり、原液孔やろ液孔から洗浄液を流して洗浄したりすることもできます。含水率の低下や有効成分の抽出が行えます。
フィルタープレスはろ過ポンプで加圧するタイプ以外にも、ダイヤフラムが膨らんで汚泥を圧搾するタイプが存在します。ダイヤフラムのタイプは、汚泥が満杯になった後に追加して押し込むのではなく、ダイヤフラムを膨らませて脱水します。ろ過室のダイヤフラム内に空気・水・油を圧入して膨らませて、脱水して固液を分離。ゴムでできているので、ダイヤフラムが破損する心配は少ないでしょう。
石垣は1958年、石垣製作所として創業した、プラントエンジニアリングメーカーです。固液分離のスペシャリストで、装置販売とアフターサービスを一体化したサービスを提供。ISD型・ISF型、ISDG型、IMD型/IMF型、ISDNC型のラースタフィルターを取り扱っています。大型で高速大量処理もできるISDG型やMCDG型、その他、高速繊維ろ過装置など多種多様なラインナップです。困難な固液分離もできる技術力を有して問題を解決できます。機器を知り尽くし、メンテナンスまで含めたソリューションを、国内に限らず海外まで展開している企業です。
鳥井ポンプは、昭和49年に創立し、各種ポンプやフィルタープレスの設計、製造、販売、修理まで対応できる企業です。FP型単式PP製ろ板フィルタープレスは食品加工、化学薬品製造ろ過、産廃排煙脱硫などの工程で発生する凝集沈殿処理や加圧浮上処理した廃水のろ過や脱水処理に適しています。ろ過圧力、0.4 ~ 0.7 Mpaが標準、ケーキの幅は15mm (標準20mm) 25mm 30mm。脱水後、ケーキを取り出す際もろ板を開いて落下させるだけなので取り扱いも容易です。自洗効果でゴミ詰まりも少なく、液漏れもありません。
1969年設立、ろ過圧搾機の販売・設計をしている企業です。薮田式ろ過圧搾機を取り扱っており、食品業界や医薬品業界、ケミカル業界のろ過、脱水に精通しています。一般産業排水の脱水実績も豊富です。ケミカル業界ではジャケット付きフィルタープレスでの高温ろ過を達成しています。用途実績も多く、産業から環境まで幅広い用途で採用されているのが特徴です。新製品開発のための、新素材、サンプル製造、データ集収でも採用されています。
氣工社は廃棄物を資源として再利用できる装置の開発や、土壌や地下水汚染上下事業の研究を行っている企業です。ろ過関係では、フィルタープレスを取り扱っています。全自動ろ布洗浄機、ロフレッシュを標準装備しているのが特徴です。省力化と、スラリー濃度の変化に関係なくケーキ含水率を保ち、安定した脱水作業でケーキ剥離を行います。脱水作業やろ布洗浄作業も自動運転で行えるのが強み。シンプルな、ろ布固定型の構造をしており、メンテナンスも簡単です。
栗田機械製作所は1949年3月に設立したフィルタープレスの専業メーカーです。社内に基礎研究部門を設け、加圧ろ過の研究を続けて技術力を磨いています。研究開発、設計、製作、納品後のメンテナンスまで自社一貫体制です。納品実績は3,500件以上あり、全国の工場が採用しています。独立資本で、柔軟性のある企業です。多種多様に対応できるHJRF型やHJMF型やMFT型、剥離の完成度が高いHJPF型などのフィルタープレスを取りそろえています。
伊藤製作所は1968年6月1日に設立した、フィルタープレス、水処理プラント、釜業機械を取り扱う企業です。フィルタープレスは累計1,000代以上の、納入実績を誇ります。TYPE – O、TYPE – N、TYPE - O III、N III、TYPE – Lなどを用意。たとえばTYPE – Oは脱水動作が自動で手間や人員が不要、機械構造もシンプルで、長期耐久年数を誇るのが特長です。シールゴムはリング状の特殊ゴムで、スリラーの噴出や脱水ケーキが剥がれ落ちるのを防ぎます。
三進製作所は1948年に設立し、技術を中心とした品質奉仕を基本方針に掲げる水処理メーカーです。排水処理用機器を取り扱っており、フィルタープレスも多種多様です。汎用フィルタープレスは、ケーキが厚く剥離も簡単で処理能力を高めています。ろ板間の特殊シール設計で、軽い締付け力の運転を実現しているのがポイントです。コンパクトな設計と耐久性も高くメンテナンスも簡単にできます。スラリー、鋳造や食品や陶上、製錬、実験室排水処理の用途に向いているフィルタープレスです。
1947年に設立し、泥土や工場排水の浄化プロセス、自動車の排ガス浄化用セラミックフィルターや、住宅設備、電子部品やディスプレイパネルなどさまざまな分野で技術力を発揮する企業です。フィルタープレスでは単純加圧式と圧搾式を取り扱っています。シックナー、クロスメディアフィルター、高圧ダイヤフラムポンプなども多くの現場で採用されているのです。ろ過に関して、ノウハウを基盤とした技術力の蓄積による新製品開や、測定データによる設備投資と製品開発、技術的な質問でサポートしています。
1979年4月に設立し、各種ろ過装置を取り扱っている企業です。汎用性の高いろ過装置があり、フィルタープレスは、環境、食品、医療、科学など、多種多様な分野で採用されています。単純加圧、圧搾、低圧から高圧、小型、大型プラント、手動、半自動、全自動など幅広いニーズに応えられるのが強みです。自動ケーク剥離装置による省力化とケーキ剥離の確実性が高く、ろ過板はPP製で、計量で耐食性があります。コンパクトなため場所を取らず、自動ろ布戦象装置も、MDF1000、1300では標準装備です。
日本濾過装置は1974年3月に設立した、フィルタープレス専門メーカーです。小型から大規模のフィルタープレスを、ニーズに合わせて提案できます。専属工場と連携して、標準品なら発注から約1ヶ月での短納期も可能です。工場排水処理、食品製造業、科学製造分野まで幅広く対応できます。取り扱っているポータブルフィルタープレスは、省スペースで、少量多品種に適したフィルタープレスです。その他、固液分離ができる手動型、ワンマン型、半自動型、圧搾型、さらにろ布やろ板、各種ポンプといった関連装置も提供できます。
日本ワコンは1971年2月設立の、排水処理設備や純水製造装置などを取り扱っている企業です。ろ過が重要になる用水、排水処理装置は、分析、実験、設計と製作、工事から保守まで対応できます。ニーズや仕様に合わせたオーダーメイドで制作できるのも強みです。ハイスペック型脱水機WAP型は、全自動、低含水率、低騒音で効率よく固液分離ができます。水圧圧搾機構と空気乾燥工程で、スラッジの含水率は70%です。コンパクトながら、ろ過、圧搾、乾燥、閉枠と開枠、排出までの全工程が8時間で完結します。
日本フィルターは1955年に創業し、めっき液用精密ろ過器で事業をはじめました。独自性と開発と製造を自社生産することにこだわっています。挑戦、技術、誠実さを強みとして事業を展開してきました。取り扱っているFPZは、半自動フィルタープレスです。ろ板の締め付け、移動もペンダントスイッチの操作で行えます。操作性もよく半自動で、腐食に強いポリプロピレン製です。オプションで、使用環境に合わせた圧送ポンプを3種類から選べます。
日本エンバイロ工業は1975年2月に設立しました。同年11月にはめっき用ろ過器グリーフィルターの量産化を実現しています。「公害防止は自然へのエチケット」と考えており、自然による浄化能力に任せられる段階まで、処理するというレベルが、日本エンバイロ工業の公害防止のものさしです。実現するために、ろ過に関連する装置を開発しています。手動式、半自動、全自動、全自動隔膜式などのフィルタープレスを多数用意。他にも、全量ろ過脱水機やろ布走行ろ過脱水機、多数ろ過器を取り扱っています。
二本鉄工株は1960年、香川で創立した総合水処理メーカーです。高効率低含水率の脱水装置を多数取り扱っています。ニーズに応えるためにオプションも用意し、自然環境を守るサポートをしているのです。フィルタープレス脱水装置は、汚泥量や処理後の作業効率まで柔軟に提案できるだけの装置を用意しています。ムーブ型濁水処理装置 F-T型は、浄化、中和、脱水の三要素を一体型フレームで自動化を実現したフィルター装置です。他にも省スペースワンタッチ設置ができるEV型、濾布自動洗浄装置付き UTO型や全自動 ベルトコンベア一体型などを提案できます。
中川化学装置は1960年に創業した、排水処理と産業廃棄物処理に特化した設備機器の開発を行う企業です。排水中のスラリーを全自動脱水できるフィルタープレスを取り扱っています。スクレーパー方式で自動ケーキ剥離ができ省力化。ろ過板はPPを使用して軽量で耐食性対策を行っています。0.7MPaの圧力による圧搾で低含水のケーキもでき、コンパクト設計でスペースに条件がある場所でも設置可能です。また、ニーズに合わせたカスタマイズの相談にも乗ってくれます。
シーズは2007年に設立した排水処理装置と流体制御を提案できる企業です。ケミカル事業では、排水処理装置を取り扱っています。多種多様な、pH中和処理装置、無機排水処理装置、脱水機、ろ過装置を提案。スタッフ全員がケミカル機器の営業技術経験があるため、水処理のための機器に関する知識が豊富です。脱水機は、MSP型(油圧締付手動開板)SA型(複動式手動油圧締付機構)KYS型(圧搾式油圧締付電動開板)DS型(手動締付開板ろ過袋式)があります。納入後のメンテナンスも定期的に行い、設備を長持ちさせるためのサポートをしてくれるのもポイントです。