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日東紡は1923年に福島県で繊維メーカーとして創立された歴史ある企業です。
ろ布市場では、都市ゴミ焼却場集塵装置などに使用されるガラスフィルターバグを提供しています。他の合成繊維製のものと比較すると、耐熱性、耐蝕性に優れているだけでなく、化学的安定性にも長けているのが特徴。
用途に応じて、二重織や綾織など織組織を選択できるだけでなく、高温ガス中でも連続使用ができダスト剝離性向上をさせるトライテンプTRITEMP®2処理や耐酸性および耐薬品性を向上させるST-4A処理など多様なアレンジが可能です。
日東紡は1938年にグラスファイバーを工業化することに成功しています。
機械的・熱的性能が高度なTガラス、低誘導率と低誘電正接を兼ね備えたNEガラス、寸法の安定性が強みの異形断面チョップドストランド、電気絶縁性や耐熱性、寸法安定性を兼ね備えた高機能ガラスクロスといったスペシャルマテリアルも開発。
産業資材として、ろ布などの耐熱・断熱市場はもちろんのこと、インテリア市場、エクステリア市場、建築市場、自動車・航空機市場、土木市場など多様な市場で用いられています。
日東紡では、地球温暖化問題などにしっかりと向き合い、環境に配慮しながら企業存続させることを大切な条件と考えています。
すべての事業において、省エネルギー、省資源、リサイクル、環境負荷に配慮する行動指針を掲げています。
具体的には、二酸化炭素排出量の抑制や再生材料を積極的に使用、有害物質の適正管理はもちろんのこと、環境関連法規を遵守しているのが強みです。
トライテンプTRITEMP®2やST-4A処理を施したガラスフィルターバグに対応。
公式HPに記載がありませんでした。
日東紡株式会社が取り扱っているその他の製品・事業について紹介します。
工業基材市場を対象とした先端複合材料として、アラミドクロスや四軸組布を提供しています。
アラミドクロスは軽量かつ高強度な特性を有しており、スポーツやレジャー、航空・宇宙用途など幅広い分野で活躍。また、コンクリート構造物の補強材としても採用されています。四軸組布は、繊維糸を四方向に配列して格子状に組み合わせた製品です。高強度で強度バランスが良く、パネルや円筒などの面状体においてねじれ強度に優れているのが特徴。また、高い脱泡性も有しています。
絶縁粘着テープ用として開発された製品で、絶縁性・不燃性を有しているのが特徴。そのほかにも粘着剤が裏にしみ出てこない、平滑性に優れているといった特徴があり、工業材料として幅広い分野で利用されています。
日東紡株式会社では幅広い種類のヤーンを取り扱っており、状況に応じて使い分けることが可能。日東紡株式会社で提供されている工業基材市場向けのヤーンには、単糸や合撚糸、色糸、紐(コード)、合糸、電気絶縁用テープなどがあります。たとえば紐は合撚糸を多くより合わせたもので、ワニス加工が施されているのが特徴。電動機や変圧器などの電気絶縁をはじめ、ヘアドライヤー・電気毛布・炊飯器のヒーター線の芯線などに使用されています。
単糸・合撚糸や各種加工ヤーンを使用したガラスクロスで、さまざまな処理や加工を施すことで絶縁性や強度、平滑性、耐衝撃性などの特性が付与されています。たとえば電気絶縁用クロスは電気絶縁性や耐熱性、寸法安定性といった特性を有しているのが特徴。FRP用クロスは高い強度が求められる成形品や表面の平滑化、耐衝撃性の向上として使用されています。
日東紡株式会社の砥石用クロスは、レジノイド砥石の補強材として提供されているガラスクロスです。グラスファイバーの強靭性を生かすことで、砥石の回転破壊強度や衝撃強度を高めることが可能。砥石の種類や大きさ、厚さなどに合わせて選べる各種クロスが用意されています。
アルミ濾過用クロスはグラスファイバーの耐熱性を利用した製品で、濾過フィルターとして溶融アルミニウムの不純物除去に使用されています。織密度や目の粗さが異なる各種クロスが用意されているため、除去する不純物の大きさに合わせて選択することが可能です。
企業にとってサステナビリティに注力することは、ブランド価値を高めるうえでも非常に重要になってきます。日東紡はサステナビリティに力を入れている企業のひとつです。ここでは、どのようなサステナビリティを行っているのか紹介します。
気候変動・資源の枯渇など地球環境が抱えている様々な問題の重要性を認識し、企業として環境の創造・保全を目指した活動に注力しています。日東紡行動綱領において、気候変動への対応・資源の有効活用・有害物質の削減・生物多様性の保全などに積極的に取り組む姿勢を定めており、独自で「日東紡環境憲章」を掲げて活動。 さらにグループ全体の環境保全に関わる中央統轄組織や審議機関として「中央環境保全委員会」を設置しています。
燃料・電気などのエネルギーを用いて、天然資源をはじめ化学物質を原料としている製品の製造に携わっています。そのため再生可能エネルギーの導入や省エネの促進、資源循環の取り組みに注力し、環境の負荷を少しでも抑えられるよう努めている会社です。
2021年度の実績として工場などで発生した産業廃棄物のうち有効活用や循環利用した廃棄物量は、2.5万トンにもなります。また他社から工場などが原料として受け入れた循環資源量は4.4万トンです。
日東紡が保有している技術力・製品知見を駆使して、環境に配慮した製品にも注力しています。たとえば住宅・ビルなどで用いられるグラスウール断熱材の製造・販売を行っており、高性能な断熱材を用いることで外気の流入を最大限抑え、室内の冷暖房の効率アップにつながります。その結果、省エネに貢献する効果が期待できるのです。
芯地の開発・生産・販売までを行う日東紡アドバンテックス株式会社は、2021年に国際認証機関Control Union Certificationsから「RCS(Recycled Claim Standard=リサイクル表示基準)」の認証も取得しています。
温室効果ガスによる気候変動などの問題は地球規模の重要な課題の一つです。その課題に向き合うため、省エネ活動の推進・再生可能エネルギーの利用拡大などの取り組みに積極的に取り組んでいます。さらに脱炭素化の動きにも貢献しするため、環境配慮型製品を介してCO2の排出量削減やサプライチェーンからのCO2排出量削減も実施。
また2022年5月にはTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)による提言に賛同する旨を表明しています。
世界人口は増加傾向にあり、発展途上国の経済発展に伴い資源需要は高まり続けており、世界の資源採掘量をはじめ使用量も拡大しています。しかし地球上にある天然資源には限りがあるため、日東紡グループでは「気候変動・資源循環型社会への適応」を掲げ、リデュース・リユース・リサイクルの3Rを推進し、省資源に貢献したいと考えています。
製品の製造過程におけるリサイクルの取り組みとして、たとえばグルスウールは代替フロンを用いないノンフロン断熱材です。製造にも環境に配慮したリサイクルガラスを活用しています。
持続可能な社会を実現するためには、生物多様性も重要な要素であると考え、生物多様性の保全に努めるだけでなく、生物多様性に資する技術の開発や商品の普及を目指しています。生物多様性の保全のために福島工場では、福島市内にある荒川のクリーンアップ大作戦に参加。福島第2工場では地域の方々と協力しながら近隣河川の清掃活動を実施しています。さらに日本経済団体連合会の会員企業として、「経団連自然保護基金」の事業に賛同し、自然保護活動への支援や同基金への寄付も毎年行っています。
豊かな社会を実現するためには、一人一人のスタッフがスキルや考え方を活かすことが重要だと考えており、中期経営計画の重点施策のなかにも「変革を起こす人財の育成」を入れており、イノベーション人材を育てることにも注力しています。
一人一人の意欲を高めるための人事制度や研修制度だけでなく、スタッフの意欲・自律的な学びや、キャリア形成をサポートするマネジメント施策の拡充も実施。次世代リーダー・グローバル人財・プロフェッショナル人財の育成を目指しています。
多様化するニーズに応えるためにも、考えが異なるスタッフが意見を出し合いながら答えを導き出せるような職場づくりを目指しています。一人ひとりが能力をしっかりと発揮し、多様性を受容する組織を推進。女性の活躍推進として、女性の管理職比率を将来的には10%を目標に掲げています。また育児・介護の両立を支援するための取り組みも行い、性別に関係なく誰もが働きやすいと思える環境を推進。
スタッフの心身の健康こそが経営の基盤であると考え、スタッフの心身の健康維持や増進をサポートし、生産性向上とスタッフのQOLの向上のバランスにも力を注いでいます。そのためにワークライフバランスを推進し、規程・仕組みの見直し・ロボット化・ワークフロー化・ペーパーレス化・ハンコレス化などに取り組みながら、新しい働き方の定着を実現。さらに健康経営としてスポーツジム利用の無料化・郵送健診・家族との時間を充実させるためのレクリエーション補助なども行っています。
安心して働くためにも安全な職場環境を整備することや、スタッフへの教育を行うことが重要だと考えています。そのためエリアごとに委員会を設け、災害・事故のリスク管理にも積極的に実施。安全衛生の取り組みとして、拠点ごとに安全衛生診断・火災リスク診断を行い、グループ内で安全活動や災害事例などを共有しています。ほかにも大規模災害への備えとしてBCP訓練などを定期的に実施。
企業として人権尊重は社会的責任の一つだと認識し、「世界人権宣言」「グローバル・コンパクト」「ビジネスと人権に関する指導原則」などに賛同し、全ての活動において人権を尊重していきます。国際規範・事業活動を行っている国の法令・規制の尊重だけでなく、人種・国籍・民族・言語・宗教・年齢・性別などの不当な差別などを行わないよう、全スタッフに適切な教育を実施。
サプライチェーンを形成しているサプライヤーとの連携によって事業が成立していると考えており、日東紡グループのサステナブル調達方針に基づきサプライヤーと社会的使命の考え方や課題を共有しています。サプライチェーン全体で持続可能な社会を実現したいと考えているのです。調達方針の浸透状況・実施状況をアンケートなどで把握し、サステナブル調達の確実な実行を図っており、新規サプライヤーの場合は事前審査でサステナビリティに関する評価を行っています。
品質・安全性を一番に考えており、あらゆる顧客のニーズに応えられるような製品づくりのための研究開発にも注力しています。誰もが安心して製品を使用できるようコンプライアンスの徹底だけでなく、製品やサービスに関する情報提供、品質偽装・クレーム・事故防止などの法理的対策や管理を実行。「日東紡グループ品質管理委員会」を設け、マネジメント体制を強化しています。
各事業所では地域とのかかわりを大切にしつつ、ともに成長できることを目指しています。地域美化活動に積極的に参加し、地域活性としてスポーツ支援を実施。「福島ユナイテッドFC」のオフィシャルクラブパートナーを務めるなどの活動も行っています。ほかにも地域貢献や教育支援活動、省資源・省エネルギー活動などにも注力。